05-04 『優秀だが君子には至らぬ人物』
現代語訳
子貢が質問して言われました。「(この私:)賜は、いかがな者でしょうか?」お師匠様が言われました。「あなたは器です。」子貢様が言われました。「どのような器ですか?」お師匠様が言われました。「”祭祀に用いる華やかな器”です。その貴重な器のように、優秀な人物です。」
登場人物
- 子貢 … 孔子の弟子。孔門十哲の一人。名は賜。
- お師匠様 … 孔子本人。名は丘、字は仲尼。
注記・解説
02-12 で孔子は「君子は器のようなものではない」と説いています。これを踏まえると、この章で子貢は「器」と評されており、優れた才能を持つ有用な人物である一方で、君子のように一つの役割にとらわれない存在とは異なる側面を持つ人物として描かれています。
現代への応用(☑表示)
現代においても、能力が高く優秀であることと、人間としての完成度の高さは必ずしも一致しないものではないでしょうか。孔子は子貢を「立派な器」と評価しながらも、それは特定の役割に優れた人物であることを意味しており、人格的に完成された「君子」とは区別しています。これは現代にも通じます。仕事ができる人であっても、それだけで信頼されるとは限らず、視野の広さや謙虚さ、人としての在り方などが伴ってはじめて、より高い評価につながるものではないでしょうか。この章は、能力の高さにとどまらず、人間としての器を広げ続けることの大切さを教えています。
原文・書き下し文(☑表示)
| 子貢問曰。 | 子貢問いて曰く。 |
| 賜也何如。 | 賜や何如。 |
| 子曰。 | 子曰く。 |
| 女器也。 | 女は器なり。 |
| 曰。 | 曰く。 |
| 何器也。 | 何の器ぞや。 |
| 曰。 | 曰く。 |
| 瑚璉也。 | 瑚の璉なり。 |
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