儒学のすすめ
論語 現代語訳大全

05-13 『孔子は人の本性や天の道理をあまり語らなかった』

現代語訳

子貢しこうが言われました。「お師匠様の、礼や制度などの教えは、(多くを語られたので、)聞くことができました。お師匠様の”人の本性や天の道理については、(あまり語られなかったので、)ほとんど聞くことができませんでした。」
登場人物
  • 子貢しこう孔子こうしの弟子。孔門十哲こうもんじってつの一人。名は
  • お師匠様 … 孔子こうし本人。名はきゅう、字は仲尼ちゅうじ

注記・解説

孔子こうしは礼や制度などの現実的な教えを重視し、人の本性や天の道理といった抽象的な問題については多くを語りませんでした。これに対して、老子ろうし釈迦しゃかは、より根源的な原理や人間の本質に迫る思想を展開しており、それぞれ異なる立場から真理を探求していることで知られています。

現代への応用(☑表示)

現代では、抽象的な理論や難解な思想が重視されることも少なくありません。

しかし、孔子は、人の本性や宇宙の道理といった形而上の議論を多く語るよりも、日常の行いや社会の中で実践できる教えを重視しました。

どれほど高度な理論を理解していても、それが実生活に活かされなければ意味はありません。むしろ、日々の振る舞いや人との関わりの中で実践される知恵こそが、現実をより良くしていくものと考えられます。

この章は、理解しにくい理論よりも、実践できる教えを重んじることの大切さを示しています。

原文・書き下し文(☑表示)

子貢曰。子貢しこういわく。
夫子之文章、夫子ふうし文章ぶんしょうは、
可得而聞也。きなり。
夫子之言性與天道、夫子ふうしせい天道とんどうとをうは、
不可得而聞也。からざるなり。
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